潮騒

日記

5/19

昨日は引っ越し先で知り合った友達と一緒に近所のオープンしたばかりのカフェに行ってきた。友達の車に乗って着いてカフェの扉を開けようとした瞬間に店員さんが中から出てきて「いらっしゃいませ」と元気よく挨拶してくれた。若くて可愛い店員さん。ちょっ…

4/22

同棲を始めて3か月後に彼と結婚した。6年も続けていたアルバイトを辞めて引っ越しの準備をして、彼のご両親に挨拶をして、引っ越しの手続きをして、引っ越しをして、両家の顔合わせの計画をして実行して、数日後に入籍した。婚姻届を完璧に書き上げるのにも…

12/20

付き合って4年目になる恋人と同棲を始めて明日で1ヶ月が経とうとしている。 ここに引っ越してきて驚きと喧嘩の連続だった。 人を感知して灯りのつく照明、3台のGoogleアシスタント、49インチのテレビ、2台のモニターがついたパソコン、タイル式のカーペット…

2/22

○歳だからこうしなければならないという法律は無いのに、重たくのしかかる現実問題、あれこれ。私は自分の将来のことをまるで考えられなくて、目の前のことをやるだけでいっぱいいっぱいになる。4時間働くだけで死ぬほど疲れてしまうし、泥のように眠ってし…

10/20

本屋で「死にたいけどトッポッキは食べたい」を立ち読みした。気分変調性障害を抱える著者による治療記録のエッセイ本。ページをめくっていくと、これは私のことなのではないのか?と思い、少し泣きそうになるのをこらえながら読んだ。明るくいられる(演じら…

8/28

夏が近づくにつれ手帳は白紙の日が増えた。何も書くことがないわけではないが、書く気力が無い。世間では色んなことが起こりすぎて、整理して書き起こすことができない。殺人的な日射が言葉も心も乾かしていくようで、ただただそれをじっと感じているしかな…

7/22

今朝の夢。男性とマクドナルドに行った。私は外で待つことになった。何がほしい?と聞かれたから私は店のガラス越しに「こぉうら」と、読唇術ができる彼に向かって口だけを動かして答えた。しばらく待つと男性はペプシコーラのペットボトルを持って店から出…

7/16

7月に入っても生活は変わらず単調な毎日。感染予防をして、休日はしっかり家にこもり(超インドアだから負担はない)、たまに出かけても県外に行かないように範囲を狭くして、いつか絶対終わるだろうと信じて。マスクをする以外で負担を感じることは最初の頃…

6/1

6月になった。5月なんていつ来たんだ?というくらい4月よりスピードが速かった。単に私の生活がものすごく単調で生産性の乏しいものだったからかもしれないけれど。緊急事態宣言が解除されて、美術館に出かけられたことは嬉しかった。けれど、人に近づかない…

5/9

宵闇が近づく。窓は少し明るく水色だった。水色の光りだけがぼんやりと視界に映って、部屋は暗く、私は横たわって疲れた体をやすめていた。毛布のやわらかさで安心する。10何年も前の、中学生だった頃の自分の感覚が現在の自分とぴったり合わさって蘇るよう…

5/6

帰り道。夜。誰もいない道でマスクを外した。清々しくて泣きそうになった。ツツジが花びらをいっぱいに広げて咲いている。白いのと、ピンク色の。自動販売機の眩しさに惹かれてアセロラジュースを買った。100円。キャップを開けて飲んだ。これも久しぶりにし…

5/4

埃かぶって地層のように積み重なった本たちをまるごと掘り出して、ぼろぼろになったアルバムや教科書なんかをまた奥に仕舞ったりした。記憶も積み重なって沈んでいた色んなことが様々に蘇ってきて邪魔くさかった。覚えてるものなんだなって。普段は意識しな…

4/24

風が強すぎる。朝はひんやりとして、昼は暖かく、夜になるとまたひんやりする。辺りは次第に群青色に染まる。音楽を鳴らす。誰かが亡くなっても身に迫ってる実感が無い。実感が無いのにひたすら予防して、働く以外はひたすら家に居なくてはいけない。この行…

4/21

Amazonプライムビデオで映画「愛を読むひと」を観た。ハンナ役のケイト・ウィンスレットの裸がとても美しくて見惚れた。原作の「朗読者」を読んでいたから大体の内容は知っていたけれど、やはりこういう問題は簡単に自分のなかで答えがでない。犯罪、愛、人…

4/18

どこまでが私の身体。どこまでも伸びているように見えるけど、何かのリボンで、ロープで、縛られている。ここに居なさいと。体と空気の境界線を決めるあなたの存在。ここに居ることの悲しさと温かさで景色は色づく。雨が降っている。光りで窓が白くなる。朝…

4/10

窓を開けると春夜の風が切なく、特定できない日付けのかすかな記憶を辿った。官能的なジャスミンの香りが入り込み家中を満たしている。どうにもできない。どうにもならない。

1/23

時間を無駄にしているという感覚はこころを萎ませる。子どもの頃は、時間なんて無限にあると本気で思っていたし、親が死ぬなんて考えもしなかったし、ぼぉっとしてるとあっという間に時間は過ぎていく。何がしたいんだっけ。最初から無いのかもしれない。 そ…

1/7

「優しさは体力がいる」という言葉を目にして、その通りかもしれないと思った。焦燥感や虚無感や倦怠感は人の心の体力を侵食して無にしてしまう。普段は優しい気持ちを持っていても、体力が無になっていたら何もできない。その日常の些細なことで、「自分は…

1/5

年が明けてしまっても、もうわたしの中に日付けなんてものは無くてずっと地続きの日々。カレンダーを埋めても、何も埋まらないものは確かにあるってもっと早く知りたかった。永遠にこんな状態のような気がして寒気がして、彼との電話も早々と切った。まった…

12/6

好きだった男の夢を見たって何にも満たされやしない。愛されることも、愛することも叶わなかった男が出てくる夢なんて。なんで楽しそうにしてるの。どうして私がそいつと過ごした実際の時間より濃密で親密で、温かいの。どうして。夢なんて嫌いだ。いつだっ…

無題

数年前に書いた自作の詩のようなもの3点。 _____________________ 『結露』 街にも空にも海にもどこにも行けない言葉たちは、朝靄を吸い込んだ呼吸器のなかで結露して、静かにくちびるを濡らしている 『眠り』 だれもひろわない亡骸をそっとわたしだけがもっ…

11/03、11/04

11月3日と4日、彼といっしょに富士と沼津へ出かけた。富士の目当ては吉原商店街発祥の名物つけナポリタン。レトロな看板のコーヒーショップ「アドニス」に行くのは今回で2回目。つけナポリタンのデザートセットを注文。デザートはアフォガード、ミニモンブラ…

10/25

めずらしく晴れたある日。横断歩道を渡った先にある一軒家が、壊されていた。正確に言うと、家の外壁や柱は残されたまま、屋根の瓦がすべて剥がされ、雨戸なども取り払われ、家の中が剥きだしの状態になっていた。畳も剥がされて、狭い縁側のほうに厚く、ミ…

10/19

また雨が降っていた。街中の施設で入場無料で開かれていた展示場に寄った。 松村かおりさんの「一点を紡ぐ vol.2」。先週行った美術館に置かれていたフリーペーパーで知った展示会。清潔で狭い室内のなかに立てられた真白いボードに、釘と小さなクリップでと…

10/17

屋根のある自転車置き場に置いたのに、雨が横殴りに降ったのか自転車がぜんぶ濡れてしまっていて悲しかった。夜風はひんやりしていて、自転車を漕ぎながら息を吐くと、熱をおびた息が白く眼鏡のレンズを曇らせる。それがちょっと楽しかった。私はこんなにも…

10/14

昨日のこと。デート日だけどすることがなかったから地元の美術館で開催されている展示会に行った。小雨が降り、辺りは金木犀の甘い香りが漂っていて息をいっぱい吸い込んだ。傘に降る雨音が心地いい。殺人的な暑さだった夏とは違って今日は気温も空気も秋ら…

10/6

土曜日は彼の友達の家に寄って、飼っている犬と散歩をしに行った。夕方と夜。夕方では夕日が山肌を淡く染めていて綺麗だった。木々の葉っぱもまばらに色づいていてこれはもう秋かもしれない。夜は、小さなランプを持って道を照らしつつ歩いた。蜘蛛の巣にぶ…

6/20

毎日通る道の角に床屋がある。数年前は営業していてそこには暇そうにおじいさんが新聞を読んでいた。ある時、床屋は営業しなくなった。おじいさんの影も消えた。ずっと暗いままで、がらんとしている。ある真夏日、周りの建物は日に照らされ白くまぶしかった…

2/27

何を詰め込んでも、何を読んでも、何を見ていても、あまり楽しくない。美味しいものも、食べたら消える。全然楽しくないわけじゃなくて楽しいと思う自分もいるんだけど、心のどこかで本当に楽しいと思っているのだろうかと思う自分もいる。最近は朝になると…

2/9

朝に自転車を漕いでいた。道にいくつか立っている街灯のひとつにまだ灯りがついていて、青空に取り残された月のようだった。そういう月のことを「残月」と言うらしい。じゃああれは残灯だ。雲が均等に空を染めていたから青空ではなかったけれど。 お見舞いに…