潮騒

日記

少し明るくなる

咳が出る。鼻詰まりもある。風邪だなぁ、完全に。肌寒い夜にも半袖を着て眠るからだ。原因はわかっている。

学習することをしないからいつまでもその日の気分を優先してしまう。学習すれば寒い日には温かくするということができるはずと思ったけど、そんな当たり前で本能的なことは学習するまでもないものだということをそろそろ学習すべき。おいしいものを食べた後は歯を磨きたくなくて、夜の歯磨きを忘れてしまう癖が抜けない。そして虫歯が増えていく。今もきっと、増えている。

 

民家の花壇に植えてあったニチニチソウの花びらを揉んでいるおじいさんが居て、不思議だった。おじいさんはこの家の人ではない。雰囲気でわかる。寒そうだと思ったのかな。揉むと匂いがわかるのかな。花の匂いを指につけていたのかもしれない。前の日記に、草の匂いをスッと嗅いでいたおばさんの話しをしたけれど、植物に触れている人を見るのは楽しい。それぞれの楽しみ方がある。

 

高校生のとき、PARCOに古本セールのコーナーがあって、そこで荒川洋治の「夜のある町で」というエッセイを読んで、そこから読書の楽しさを知った。山田詠美の存在もそのエッセイを読んで知った。荒川洋治はわたしを救ってくれた。思い悩んでたわけではないけれど、そう思う。文学に詳しくないし、特に近代文学に疎いからエッセイに書かれてるほとんどの作家を知らなくて読むのに苦労したけれど、「読む」という行為が楽しいと思える発見があった。荒川洋治のエッセイは、文学を知りたい、文学に触れたいという人におすすめだと思う。「ラブシーンの言葉」という本は文学好きでなくても楽しめる。

今は「日記をつける」というエッセイを読んでいる。作家たちの日記を通して日記というものはどういうものなのか、自分のなかにどんな影響をもたらすのか教えてくれる。おもしろい。今まで見過ごしていたことに気づかせてくれる。景色が少し明るくなる。