潮騒

日記

2/9

 

朝に自転車を漕いでいた。道にいくつか立っている街灯のひとつにまだ灯りがついていて、青空に取り残された月のようだった。そういう月のことを「残月」と言うらしい。じゃああれは残灯だ。雲が均等に空を染めていたから青空ではなかったけれど。

 

お見舞いに行くために車に乗っていた。助手席。しばらくすると雲で白く染まった空にぽっかりと丸く太陽が顔を出した。だれかが人差し指でそこだけ穴を開けたみたいに丸かった。