潮騒

日記

10/6

 

土曜日は彼の友達の家に寄って、飼っている犬と散歩をしに行った。夕方と夜。夕方では夕日が山肌を淡く染めていて綺麗だった。木々の葉っぱもまばらに色づいていてこれはもう秋かもしれない。夜は、小さなランプを持って道を照らしつつ歩いた。蜘蛛の巣にぶつかったのか頭から手から糸を垂らして歩いた。不快感。風が冷気をまとって、月と星のピントが合ってくる。頭のなかもクリアになる。草の露も、土の匂いも、虫の鳴き声も、そこに夏はほとんど無かった。ちょっと水気を含んだ空気が肺に入るたびに少し細胞が生まれ変わるようなそんな気持ち。家の灯りが消えたら闇になる場所。彼の友達は、ヘビが近づいてこないように大きなトングみたいなものを持っていた。ちょっとおもしろい。犬の足音が軽やかでかわいい。首のあたりの肉に段がついていてもちもちしている。