隔たり
他人との隔たりを感じることができるから自分は自分のかたちを持つことができる
でも、わたしたちは強迫観念的にその隔たりを許せない 自分が孤独になることに酷く臆病で、そんなことあってはならない
好きな人はわたしと一緒になるべきだし壁などあってはならない
そう思い込んで、その隔たりを、壁を、壊してみようとする
壊そうとして失敗して、重なり合おうとして失敗する
結局、何も築けないまま関係自体が完結して消滅する
相手を知った気でいてもそれはただの自己満足で、表面をなぞっただけで、相手の考えも、して欲しいことも何ひとつ分からなかった
月日が悲しかった
わたしはわたしなのに、猛スピードで周りは進んで行った
あいつと同じストラップを持ってるあの子が羨ましかった
あの子に見せる笑顔を独り占めしたかった
わたしのほうが先に好きになったのにとか思ったりもして
全部できないことがわかっていた
自分の想いを言ってないのに、触れることばかりに気を取られていて、それでまた失敗した
求めたのに、離れていってしまった
あれは奇跡だ
二度とない