潮騒

日記

12/1

 

この前の土曜日は小國神社で紅葉を見に行ってきた。濃く色づいた紅葉が散り散りに小川の水面に落ち、さまざまな色を添えていた。道にかたまっている枯葉を靴で思い切り踏むと、カサッカサッという音がして幼少の気分になった。風が吹くといっせいに葉が降ってきてわたしと彼の服や頭については落ちていく。売店で抹茶しるこを買って温まりながら食べた。とても甘くて、胃の真ん中をじんと熱くした。彼のやさしさが嬉しい。次第にあたりは暗くなって、紅葉はライトアップされていた。大きなカメラを持って長靴を履いた男のひと何人かが小川に入って撮影をしていた。紅葉だけが明るくて、ひとの顔は薄暗くてよく分からなかった。照明器具の光りに虫たちが集まってはしゃいでいた。燃やしあっている。たまに車が横切った。ヘッドライトが彼の顔を明るくして、通り過ぎるとまた暗くなった。その瞬間が美しいと思った。水面の模様すら映って。ぬらぬらと土が濡れていて、官能的な雰囲気だった。誰も見てない隙をねらってキスをした。暗いってとても良い。

 

 

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