潮騒

日記

青い時間


アスファルトから跳ね返る熱を想像しただけで夏はもう始まっていて、あちこちに黒い虫が家の畳に棲みついている
臑毛が少しずつ硬くなっていて、恋人がいないということは、臑毛と仲良く生活することでもあった
まぁ、すぐに剃ってしまうけど
街が海のなかにいるのではないかと思わせる、あの青い時間がわたしは好きで、でもいつの間にかあたりは白んでいるからとても残念な日々を送っている
白んでしまうのはとても悲しい
どうしてもう少し、わたしたちを静かにさせておかないのか
いつかあの時間帯に起きて、街を泳いでいきたい
青い時間を覚えていたい