潮騒

日記

瞼に夕日を

財布の中はクレジットカードと電車賃しか持たずに街へと出かけた。
イヤリングなんかもしちゃって。でもなぜか片方だけしか付けていなかった。出かけてから気づいた。
風も弱く、すっかり春の陽気で気分が良くなる。
何だか、すべての人を許せて笑顔で見つめてしまえるような広い気持ちを久しぶりに感じた。
行動するためには気分を良くすることであると、立ち読みをした本に書いてあった。行動したい気持ちがあるのに行動できないのは気分が良くないから。確かにその通り。気分の上がり下がりが激しいわたしは、人より行動に至る時間が遅い。今日はたくさん歩こうと思って行ったけど、範囲はいつも通りだった。
地下から入れる本屋に入り、出て、地下から入れるデパートに入ってヴィレヴァンへ。ビカビカと目を刺激する殺人的な情報と物体の量で目が眩み、誰かがお試しで使った香水の匂いと他人の匂いなどが入り混じり嗅覚も刺激される。どこに行っても人とすれ違う。正直イライラするけれど、置いてあるものが好きなんだからつい寄ってしまう。いつも何も買わずに帰るから今日くらいは何か欲しいと思えるものあるかなぁと思い、人にぶつかりそうになりながらうろうろしていると、お寿司柄の長財布とおむすび柄の長財布が置いてあった。運命的な出会い。欲しい!と思ったけれど、結局買わなかった。白い長財布だったから。汚れが目立ってくるのが耐えられるかどうか。黒だったら即決だったのに。でも、来週また行ってみようと思う。
ジュンク堂にも人があふれていた。中谷美紀のエッセイ本を立ち読み。やはり言葉の豊富さに驚く。知的で詩的な雰囲気や言葉を持ってる人だなと曲を聴きながら思ってた。ますます好き。ふだん、映画やドラマは進んであまり観ないくせに好きな俳優は多い。

街中にはカーキ色のブルゾンを羽織った女性がたくさんいて、みんなが流行りものを着てると総じてダサく感じるなと思った。赤髪ショートの上下スウェット少女がいちばん格好良かった。黒と薄ピンクの組み合わせ。
カップルも多くて、彼女がテンション高く中身の無い話しをしているなか彼氏は必死に笑っていた。無視をしてる彼氏もいた。なんか、大変そう。

デパートで、いつもお土産にするワッフルを買った。

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小さいけどおいしいから買う。
こういうことは大事。

地元の駅に着くと、夕日がわたしの目に正面から入り込んで、しっかりとした丸い夕日を久しぶりに見た。空の色から感じる夕日ではなくて、本物を。
しばらく目が離せなかった。
信号待ちをしていると、飛行機雲が見えて、一直線に夕日へと向かっていた。飛行機雲にも目が離せなかった。あまりにも真っ直ぐに、あまりにも綺麗な飛行機雲だった。東京などの都会ではこんな風景見られるのだろうか。見られないとしたらみんなはどうやって夕日を感じるのだろう。空も見ないんじゃないだろうか。

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雑誌 JELLYの付録。付録目当てで買った。満足。