潮騒

日記

春を閉じ込めたい

映画「舟を編む」を観た。
辞書を作ることの責任、作業工程、膨大な言葉の数など。知ることができて良かったし驚くことも多かった。言葉を使うことの大変さや言葉を聞くことの楽しみを味わう内に馬締も周りの人も成長していく過程が良い。
酔って泣きながらプロポーズする西岡、馬締が書いたラブレターを丁寧に封筒にしまってあげる佐々木さん、
辞書づくりに人生を捧げた松本先生、馬締を元気づける大家のタケさん。猫のトラさん。
魅力的な人たちが馬締を支えていくけれど、ヒロインの香具矢に関してはヒロインだという以外の感想をあまり持てなかった。初めて出会うシーンではかぐや姫のような神秘的な印象だったけれど、板前をしているということ以外は普通の女の子だった。悪くは無かったけど、何と言えばいいのか。

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馬締が恋をして、恋をしたからできた語釈。言葉は経験しないと得られない。

ちょっとだけ編集・校正の仕事に興味が出てきた。

午後は街中の古本屋へ。ブックオフとかの中古ショップではなくて、個人の古本屋。比較的新しい本や、美術誌などの古い本も置いてある小さいけれど清潔感のある古本屋だ。若い人も入っては出ていく。
吉本隆明の「ひきこもれ」を立ち読みした。引きこもりの子を無理やり社会性のある人にしようと外に出させるのを賛成できないという内容の本。
1人部屋にこもってまとまった時間を過ごすことが子どもには必要だと吉本隆明は語る。おつかいや塾などで時間をこま切れにさせてはいけないと。
引きこもることは社会性が無く、人として役に立てないのではないかという不安があるかもしれないが、この本は引きこもること自体を肯定してくれている。
引きこもってしまう子たちの中にも光るものを持つ子は必ず居る。
わたしも中学生の時に不登校になり引きこもっていた。しばらくしてフリースクールに通うようになって、いろんな人たちと過ごした。通っていた仲間は同じように引きこもって居場所を無くしてた子たちだったけれど、それぞれ個性があってとても豊かな子たちだった。社会性が無いとはとても思えなかった。立ち読みして、そういう昔のことを少し思い出していた。ちょっと元気が出た。子どもがすることを手助けしてくれる大人も必要だけれど、黙って見守ってくれる大人も必要だと感じた。

1時間くらい物色してから、100円均一ラックに置かれていた料理本を2冊買った。

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昨日焼いたパンケーキが普通に作っただけなのにあまりにもおいしくて、自炊をしたくなってきた。
実家暮らしだから黙ってたらおいしいものは出てくるのだけれど、自分で作るもののおいしさってまた違うおいしさがある気がする。挑戦したい。好きなこと、得意なことを増やしたい。

駅中にあるパン屋でシナモンロールと宇治抹茶のデニッシュを買って帰宅。
200円以上するパンを買うのは久しぶり。「かもめ食堂」の影響か、シナモンロールが食べたくてしかたなくて他の甘いパンには目もくれず、パン屋に入るのも久しぶりでちょっとドキドキした。
レジのお姉さんの肌がキレイだった。
服屋に限らず、パン屋、ケーキ屋、カフェ、お花屋にもキレイな人が多い気がする。いいなぁ。

歩き疲れて、目が重く感じる。
飼い猫もぐったり寝ていて、弟は花粉のせいなのか6回連続でくしゃみをしていた。