潮騒

日記

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帰り道。夜。誰もいない道でマスクを外した。清々しくて泣きそうになった。ツツジが花びらをいっぱいに広げて咲いている。白いのと、ピンク色の。自動販売機の眩しさに惹かれてアセロラジュースを買った。100円。キャップを開けて飲んだ。これも久しぶりにした事。雨で顔が少し濡れていくのを感じた。雷が遠くでチカチカ光っていた。音は聞こえない。傘を広げて、また閉じた。空は灰色の雲にアセロラジュースを混ぜたみたいな色をして不気味だった。土をこすりながら歩く自分の靴音が響いて、目の前の横断歩道ではカップルが自転車の2人乗りをして渡って行った。そんな楽しそうにしてどこへ行くんだろう。使っているバッグが自分の体型に合っていなくて、捨てようかなと思いながらそのまま歩き続けた。