潮騒

日記

カフェモカ

 

小さいデパートの片隅にある休憩所でカフェモカを買う。

コーヒーの濃さや砂糖の量をえらべてつくってくれる自販機。

普段、コーヒーは家でインスタントをつかって飲むからこういう場所で買うのは初めてだった。やり方がいまいちわからず、紙コップが差し出される四角い部分をじっと見つめる。コーヒーは濃いめ、砂糖は多めに設定してできあがったものはわたしには甘すぎた。でも、この甘さが落ち着く。椅子に座って読みかけの本をひらく。そこにはテレビも設置してあって、昔放送されたサスペンスドラマが流れている。良い所を見つけた。時折スーパーのアナウンスが耳に響いて痛む。

帰り道、自分のしあわせについて考える。休憩時間、職場の人にいつ結婚するのと聞かれ戸惑った。そんな予定はないですと答えると、そうなんだ、自由でいいねと言われた。わたしは自由なのだろうか。自由って何だ。しあわせって何だ。結婚して子どもを産むことが自分のしあわせなのか。自分って何だ。

そんな答えのでない問いを延々と繰り返しながら帰る。わたしは自分では答えがだせないんだ。いつまで経っても。でも、ひとを信用することもできない。

あのころより強くなった気はしない。