8/17
秋の気配がおとずれた。それはなんの前触れもなかった。日射しの明度が落ちて、気持ちをすっと沈めてくれる。涼しい風が吹いている。北海道のある場所では初雪が観測されたらしく、衝撃的だった。
季節はもう0か100しか無いのだろうか。台風だってまた近づいている。晴れたら耐えられない湿気と日射しの強さで倒れそうになり、雨が降ったら雷とともに大粒で屋根や雨傘を叩きつけ、川は氾濫する。曇りのときでも急に変わるから安心できない。早く夏が終わってほしい。今日は蝉が鳴いていなかった。みんな死んでしまったのだろうか。
夜風が心地いい窓から、山に建っている鉄塔の赤い灯りをながめた。ぼぅっと。こんなに心地いいのは久しぶり。
秋の風は、こころの隙間に入り込んできて、放置された傷の感覚をよみがえらせる。
わたしには何もなく、からっぽなんだと自覚させる。頭が落ち着いてくるとろくなことを考えない。いつも奥底に閉じ込めてる冷静で暗いわたしが引っ張られて顔を出す。
絵を描いても、文章を綴っても、ブログを書いても、詩を書いても、自分の表現したいことの1ミリも表現できていないと思う。もっと自分の体の深くに眠っている何かを表現したいと思うのに術がない。
生きているようで生きていない気がする「何か」。フラストレーションが溜まる。
何かできなければ、わたしがわたしである意味がわからない。