潮騒

日記

8/18

 

どれだけ素晴らしい小説を読んでも、芸術作品に触れても、それを受け止めこころに留めておくだけの力がもうわたしには無い。すべてがすり抜けて、流れてしまう。言葉にすることも、思い出すこともできない。人間的な欠如を感じる。夕陽を見たって、夕陽はすぐ沈んでしまう。夜が来たって、音もなくすぐに去っていく。すぐそばに存在していないとわたしはいつだって忘れる。それが気持ちよかった時もあった。去っていく、忘れていくということは良い側面もあると思った。いつまでもこころに残しておくのも重苦しいから。でも今はそれが耐えられない。中身を感じられなくて、からっぽだ。即席な楽しさに身をまかせることの無責任さが耐えられない。人の言うこともよく分からない。何をすればいいのか分からない。